WordPressとJimdo(ジンドゥー)クリエイターを比較 – ホームページを作るなら?
最近はWebサイトを作る方法として、エディターなどでHTMLやCSSを記述して作り込んでいくやり方が少なくなってきています。代わりに増えているのが、WordPressに代表される「CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)」です。
CMSは、HTMLやCSSの専門知識がなくても、ブラウザ上で簡単にWebサイトを作成できます。今や、世界のWebサイトの半数近くがWordPressで作られているとも言われています。
今回ご紹介する「Jimdo(ジンドゥー)」も、CMSのひとつです。初心者でも簡単にWebサイトを作れるツールとして、人気が高まっています。
本稿では、WordPressとJimdoを比較して、それぞれのメリット・デメリットを解説します。Webサイト作成ツールを探している方は、ぜひ最後までご覧ください。
※なお、Jimdoには「AIビルダー」と「クリエイター」の2つのプロダクトがありますが、本記事では「クリエイター」のほうをご紹介します。
WordPressとJimdo(ジンドゥー)クリエイターを7項目で比較
まずは、WordPressとJimdoクリエイターの特徴を分かりやすく表にしましたので、ご覧ください。
項目 | WordPress | Jimdoクリエイター |
導入難易度 | △ サーバーを用意しインストールする必要がある |
◎ サーバーの用意は不要 |
運営コスト | ◯ ソフト代無料、サーバー・ドメイン費用が必要 |
◯ 広告無し・独自ドメインの場合は有料プランの加入が必要 |
デザイン性 | ◎ 8,800種類を超えるテンプレート |
◯ 40種類のテンプレート |
自由度 | ◎ HTML、CSSなど自由にカスタマイズ可能 |
△ 自由なカスタマイズは難しい |
利用者数 | ◎ 世界シェアNo.1 |
△ |
セキュリティ | ◯ アップデートなどは自己責任 |
◎ セキュリティ対策はおまかせ |
サポート | △ サポートはほぼ無し |
◎ サポート体制は充実 |
それぞれの項目は、以下の判断基準を元にしています。
- 導入難易度:素人でも簡単にホームページが作れるか
- 運営コスト:初期費用や運営費用は安く抑えられるか
- デザイン性:デザインのテンプレートは豊富か
- 自由度:自由にカスタマイズできるか
- 利用者数:たくさんの人が利用していて、ネットで多くの情報が拾えるか
- セキュリティ:不正ログインや情報の流出の防止策は講じてあるか
- サポート:運営でトラブルが起こったとき、スムーズに問い合わせできるか
WordPressは「デザイン性」「自由度」「利用者数」が優れていて、Jimdoは「導入難易度の低さ」「サポート」が優れています。
この表にあげた他にも、様々な特徴がありますので、別の角度からも、両サービスを比較していきましょう。
Jimdo(ジンドゥー)クリエイターの特徴
Jimdoクリエイターの一番の特徴は、専門知識がない人でも簡単にWebサイトが作れるという点です。その点では、WordPressよりも敷居が低いでしょう。
ここではJimdoクリエイターのメリット・デメリットを解説しながら、どんな人に向いているのかご紹介します。
Jimdo(ジンドゥー)クリエイターのメリット
Jimdoクリエイターの主なメリットは、以下のとおりです。
- 初心者でも簡単にWebサイトが作れる
- サポートが手厚い
- 制作を外注する場合、安い傾向がある
順番に、詳しく解説します。
初心者でも簡単にWebサイトが作れる
初心者でも簡単にWebサイトが作れるところが、Jimdoクリエイターの最大のメリットです。知識がまったくない初心者でも、驚くほど簡単にWebサイトを作れます。サーバー契約や管理も、まったく要りません。
Webサイトに必要な機能やデザインパーツがあらかじめ用意されていて、直感的な操作でサクサクとWebサイトが作れます。もちろん、PHPやMySQLといった専門知識も不要です。初心者に優しいと言えるでしょう。
サポートが手厚い
Jimdoは、日本での提供を株式会社KDDIウェブコミュニケーションズがおこなっていることもあって、サポートがしっかりしています。有料プランを契約すると、メールでの個別対応もしてくれるので、初心者にはより安心です。
対するWordPressの場合、オープンソースとして開発されているので、企業によるサポートがありません。問題が起こったときには、基本的にはユーザー自身か、ユーザー同士で解決するしかありません。
その代わり、世界シェアNO.1のCMSだけあって、使い方やプラグイン情報、トラブルの対処方法などがネットにたくさん公開されているので、サポートに頼る必要はほぼないでしょう。
制作を外注する場合、安い傾向がある
制作を外注する場合、WordPressよりもJimdoのほうが安い傾向にあります。これは、Jimdoのほうが簡単にWebサイトを立ち上げられるからでしょう。
初めてホームページを作成すると、後から「ああすれば良かった、もっとこうするべきだった」という点が出てきてしまうことも。まずはお試しで、さっと費用をかけずにWebサイトを作りたい人におすすめです。
Jimdo(ジンドゥー)クリエイターのデメリット
誰でも簡単にWebサイトを作れるところがJimdoのメリットですが、良いところばかりでなくデメリットもありますので、ご紹介します。
- ランニングコストがかかる
- バックアップ機能を提供していない
- サービス内容が変わるかもしれない
順番に、詳しく解説します。
ランニングコストがかかる
Jimdoの無料プランは、広告が表示されます。また、独自ドメインも使えないので、企業や店舗の公式サイトを作るなら、有料プランが必須と言えます。
とくに、SEO対策もしっかりおこないたい方は、月額2,480円の「BUSINESS」プランの加入が必要になるでしょう。
また、独自ドメインに年額1,650円、メールパッケージに年額6,600円、追加のメールアカウントに年額990円など、意外と費用がかさんでしまいます。
WordPressの場合だと、ソフトウエアは無料で使え、サーバー代と独自ドメイン費だけで済みます。安価なドメインとサーバーを選べば、年間3,000~5,000円ほどの維持費で済む場合もあります。
バックアップ機能を提供していない
例えば、誤ってコンテンツを削除してしまった場合、Jimdoにはバックアップ機能がないので作り直さなければいけません。
また、Jimdoから他のサービスに移りたい場合でも、データを移行することができません。Jimdoで公式サイトを作りたい場合には、特に注意が必要です。
無料プランの場合、180日間ログインしていなければデータを削除されることもあります。
WordPressの場合は、バックアップ用プラグインがあり、万一のために備えることも可能です。
契約サーバーによっては、バックアップ機能を持っているサーバーもあるので、リスク管理という意味ではWordPressのほうが有利でしょう。
サービス内容が変わるかもしれない
Jimdoは、ドイツのJimdo GmbH社が開発・提供しているサービスで、2009年にKDDIウェブコミュニケーションズが協業パートナーとなり、日本語版をリリースしています。
私企業が提供しているサービスなので、サービス内容や料金は提供・運営会社の方針次第で変更になることも考えられます。また、サービス終了というケースもあるかもしれません。
Jimdo(ジンドゥー)クリエイターはこんな人におすすめ
Jimdoがおすすめの人は、
- 公式サイトの他に、小規模なサブサイトを持ちたい人
- 期間限定のLP(ランディングページ)を開設したい人
- 個人事業主や小規模店舗で、数ページのWebサイトを持ちたい人
などです。
Jimdoは、直感的操作で誰でも簡単にWebサイトを作成できるという最大のメリットを活かして、サクッと小規模サイトを作るのに適したサービスと言えるでしょう。
とにかく、作りやすさは他のWebサイト作成サービスの中では、群を抜いた存在です。
WordPressの特徴
ここからは、WordPressのメリット・デメリットを中心に解説します。前述したように、今や世界中のWebサイトの半数近くがWordPressで作られている、シェアNo.1のCMSです。
WordPressの特徴は、前述の表で示したとおりですが、その他にも様々な特徴がありますので、メリット・デメリットと合わせて見ていきましょう。
WordPressのメリット
WordPressでWebサイトを作るメリットは、以下のとおりです。
- 情報量が多く、独学しやすい
- 自由度高くカスタマイズできる
- 高度なSEO対策がしやすい
順番に、詳しく解説します。
情報量が多く、独学しやすい
WordPressは一企業が開発したものではなく、オープンソースとして提供されているので、個別サポートはありません。使い方については独学が中心になるのですが、情報量が多く、学びやすい環境が充実しています。
CMS市場で、なんと65%のシェアを誇る世界一人気のシステムですので、書籍やネット上に情報がたくさんあり、フォーラムも活発に運営されています。
使い方やエラー時に対処方法など、分からないことがあっても解決するための情報を得やすいのです。
自由度高くカスタマイズできる
WordPressは「テーマ」と呼ばれるテンプレートがたくさんあり、無料テンプレートの数はなんと8,800種類以上。機能を追加するためのプラグインも59,000種類以上もあります。
それらを組み合わせて、自由にカスタマイズもできます。各テーマが備えている標準カスタマイズ機能だけでなく、HTMLやCSSを使ってあなた独自のカスタマイズも可能です。
高度なSEO対策がしやすい
SEO(検索エンジンで上位表示させる対策)は、ネットビジネスをおこなう上でなにより重要です。集客できなければ、いくら綺麗なWebサイトを作っても意味がありません。
その点で、WordPressはSEO対策に特化したプラグインがあり、SEOに有利なWebサイト運営ができます。
たとえば、サイトの表示速度を上げるためのプラグインを導入したり、SEOスコアを算出するプラグインを利用したりすることで、SEO対策ができるのです。
そもそも、WordPressはSEOに強い設計がなされているテーマが多いので、WordPressを使うだけで他のCMSよりSEO的に有利と言えるかもしれません。
WordPressのデメリット
ここまでWordPressのメリットを解説してきましたが、もちろんデメリットもあります。いくつか、ご紹介しましょう。
- 本格的なWebサイトを作るには、知識が必要
- 自分で管理やメンテナンスをする必要がある
- セキュリティ上のリスクがある
では、それぞれについて詳しくお伝えします。
本格的なWebサイトを作るには、知識が必要
WordPressは、拡張性やカスタマイズ性に富んでいるのが大きな特徴です。カスタマイズしやすいテーマが多く、ブロックエディターによってデザインの表現力も上がっています。
テーマのカスタマイズ機能だけで運営する場合は専門知識は不要ですが、細かなところまでオリジナル性を追求する場合は、HTMLやCSS、PHPの知識が必要になります。
本格的にカスタマイズをおこなう場合は、初心者にはやや敷居が高いと言えるでしょう。
自分で管理やメンテナンスをする必要がある
WordPressは、自分でサーバーを用意してインストールするCMSです。そのため、管理やメンテナンスはすべて自己責任でおこなわなければなりません。
例えばSSL(httpsアドレス)の設定、PHPのバージョンアップ、テーマやプラグインのアップデート等々。もし不具合が発生したときには、自分で復旧する必要もあります。
Jimdoの場合は、これらをすべて提供会社がやってくれます。
セキュリティ上のリスクがある
上記の管理を自分でおこなうことで、一番やっかいなのがセキュリティ対策です。利用者が多いオープンソースのCMSなので、不正ログインやハッキングなどの標的にされやすいのです。
セキュリティを強固にするためには、WordPress本体やプラグインのアップデートをしっかりおこなうことと、セキュリティが強固なサーバーを選ぶこと。セキュリティ対策のプラグインを導入することなどをおすすめします。
また、ちゃんと適時更新されているテーマを使うことも大事です。これら対策をしっかりすることで、セキュリティを高めることができます。
WordPressはこんな人におすすめ
WordPressがおすすめな人は、こんな人です。
- 企業の公式サイトとして運営したい人
- 50ページを超える大規模サイトを運営したい人
- オリジナルデザインのWebサイトを運営したい人
- 長期間に渡りWebサイトを運営したい人
WordPressは、サーバーやドメインを自前で用意する必要がありますが、それさえできれば自分の思い通りにWebサイトを構築できます。数百ページの大規模サイトを運営することも可能です。
WordPress自体はオープンソースなので、一企業の都合でいきなりサービスが終了するというリスクもありません。バックアップやセキュリティ対策をしっかりしておけば、長期に渡って安心してWebサイト運営ができます。
最近ではブロックエディタ対応テーマも増えているので、デザインカスタマイズも非常に簡単になっています。WordPressは、今後もWeb制作のスタンダードとして使われ続けるでしょう。
【まとめ】WordPressとJimdo(ジンドゥー)クリエイターを比較
ここまで、WordPressとJimdoの特徴やメリット・デメリットを解説してきましたが、いかがでしたか?
どちらも非常に使いやすく、基本的にはHTMLやCSSなどの専門知識がなくても、Webサイトが簡単に作れるという特徴を持っています。
それぞれの特徴を簡単にまとめると、
- WordPress:長期間運営する企業の公式サイトやオウンドメディアに適している
- Jimdo:個人事業主などの小規模サイトや期間限定のランディングページに適している
という分け方ができると思います。
ユーザー数はWordPressが圧倒的に多いのが実情で、今やWeb制作のスタンダードと言えるでしょう。WordPressには、有料・無料テーマが数千種類ありますが、企業サイトとして使う場合は、ビジネス用途に特化したテーマを選ぶことをオススメします。
私たちが提供している事業用テーマ「NewStandard」は、国内の導入事例が200社を超える実績を持ち、業種を問わず多くの企業・個人事業主様にご愛用いただいています。
WordPressのデメリットに「本格的なサイトを作るためには、HTMLやCSSの知識が必要」というのがありますが、NewStandardの場合、ビジネスサイトに必要なデザインパーツがあらかじめ用意されているので、それらの知識に詳しくない方でも簡単にビジネスサイトを作ることができます。
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