WordPressマルチサイトとは|活用例やメリット・デメリットを解説
マルチサイトとは、1つのWordPressに対して複数のWebサイトを作成し、運用する仕組みのことをいいます。
通常、複数のWebサイトを運営する場合、サイトの数だけWordPressをインストールし、それぞれにドメインを設定してWebサイトを運営します。
しかしマルチサイトの場合、1つのWordPressの下に、いくつものWebサイトを設定することが可能です。
「通常のWebサイトとマルチサイト、どう違うの? どちらが優れているの? どちらが自分に向いているの?」
という疑問をお持ちの方。
そんな方に向けて、今回の記事では、
- WordPressのマルチサイトとはなにか?
- 普通のWordPressとの違いは?
- マルチサイトのメリットとデメリットは?
について解説します。
これからWordPressで複数サイトを運用したいと思っている方は、ぜひお読みください。
WordPressのマルチサイトとは
WordPressのマルチサイトとはどんな構造になっているのか?
ひと目でご理解いただくために、以下の図をご覧ください。
まずは通常のサイト構造です。
1つのWordPressに対して、1つのWebサイトを運営します。
マルチドメインに対応しているサーバーなら、1つのサーバーに複数のWordPressがインストールできます。
それぞれのサイトを、違うドメインで運用する場合は、一般的にこのような構造になります。
WordPressの管理画面は、サイトの数だけあるということになります。
サイトが増えれば増えるほど、管理が大変そうですね。
それに対して、マルチサイトは以下のような構造になっています。
WordPressは1つだけで、その下で複数のサイトを運営できます。
上の図でいうと、「site.com」というドメインが親サイトになり、「site.com/wp1」「site.com/wp2」「site.com/wp2」というふうに、サブディレクトリ型の子サイトから構成されます。
子サイトはどんどん増やすことができ、サイトごとに異なるテーマ・プラグインが使えます。
WordPress管理画面は1つだけなので、サイトが増えても一括で管理しやすいという特徴があります。
3種類あるWordPressのマルチサイト
WordPressのマルチサイトには、3つの運用方法があります。それぞれ見ていきましょう。
サブディレクトリ型
例えば、test.comというドメインの場合、そのドメインの下にディレクトリを作ってサイト設定をします。
「test.com/sub1」「test.com/sub2」「test.com/sub3」という形です。
同じドメイン名(test.com)の下に複数サイトを運用することになるので、サイト同士のテーマやジャンルが同じなら、親サイトであるtest.comのドメインが強くなるという、SEOのメリットがあります。
例えば自動車ディラーの場合、本体のサイト(ディラー本店)の下に、各支店や営業所のサイトをサブディレクトリ型で作り、共通した基本デザインで、それぞれのサイト運営する、という方法があります。
サブドメイン型
test.comというドメインの下で、「sub1.test.com」「sub2.test.com」「sub3.test.com」という形のサブドメインとして運用するパターンです。
サブディレクトリ型とは違い、「sub1.test.com」「sub2.test.com」「sub3.test.com」は、同一ドメインとしてみなされませんので、サイトのテーマやジャンルがまったく異なるサイトを複数運営する場合は、サブドメイン型をおすすめします。
例えば、「旅行の情報サイト」「将棋のサイト」「ペットの飼育サイト」などの、まったく異なるジャンルのサイトをマルチサイトで運用する場合は、サブドメイン型を選ぶと良いでしょう。
複数ドメイン型
WordPressのマルチサイトは、サブディレクトリ型とサブドメイン型が多いのですが、複数の独自ドメインを運用することもできます。
test.com
sample.com
ninoyatest.com
というふうに、異なるドメインを1つのWordPressで運用することもできます。
普通のWordPressサイトとの違い
普通のWordPressサイトとの違いは、マルチサイトのほうが一括管理しやすいということです。
以下、表にまとめてみました。
普通のWordPressサイト | マルチサイト | |
WordPressの数 | サイトの数だけ必要 | 1つだけでOK |
管理のしやすさ | それぞれに管理画面があるので、サイトが増えれば増えるほど、煩雑になる。 | 管理画面やアカウントが一元化されるので、管理がしやすい。 |
複数ドメインでの運用 | ドメインごとにサイト運用が可能。マルチドメイン対応サーバーを利用すれば、1つのサーバーで複数ドメインでのWordPressサイトが運用できる。 | 複数ドメイン型での運用は可能。 ただし、サブディレクトリ型、サブドメイン型がほとんど。 |
WordPressマルチサイトの活用例
WordPressマルチサイトは、上手に使えば管理の一元管理ができ、複数サイトを効率的に運用できます。
例えば、以下のような活用例があります。
会社組織別に運用する
会社組織別に運用する方法です。本社が親サイトを運営し、その下にマルチサイトで支店・営業所それぞれにサイトを持つという形です。
支店・営業所は地域に密着したコンテンツを発信し、営業活動を行うことができます。
この場合は、サブディレクトリ型での運用が望ましいでしょう。
会社として共通デザインで各サイトを運用しながらも、支店・営業所ごとに異なるコンテンツを発信できるのがメリットです。
ブログで異なったジャンルの記事をサイトごとに分けて運用する
例えば、異なるジャンルのサイトを複数運営したい場合。
ひとつひとつにドメインを購入し、WordPressをインストールするのは、サイトが増えるにしたがって管理が大変になります。
例えば、個人でアフィリエイトサイトを複数運営したい場合、ジャンルは多岐に渡るでしょう。
法人でも、扱う商品ジャンルごとにオウンドメディアを運営する場合があるかもしれません。
そうした場合は、サブドメイン型のマルチサイトを構築することで、管理をシンプルに一元化することができます。
ジャンルやテーマが違うサイトを複数運用する場合は、サブドメイン型をおすすめします。
WordPressをマルチサイトにするメリット
メリット1:管理画面やアカウントが一元化される
マルチサイトは、ネットワーク管理者がWebサイトを追加したり、テーマやプラグインの管理を一元化して行うことができます。
個別にWordPressをインストールして、それぞれの管理画面で管理するよりも、はるかに楽に複数サイトの管理を行うことができます。
WordPressのセキュリティ対策も一元化できるので、運用面で非常にメリットがあります。
メリット2:1つのドメインで複数サイトを運営できる
ディレクトリ型にしても、サブドメイン型にしても、取得するドメインは1つだけで済みます。
マルチサイトではなく、通常のWordPressサイトの場合は、サイトの数ごとにドメイン設定が必要になり、ドメインの維持費、更新手続きなどが、サイトが増えるごとに煩雑になっていきます。
しかしマルチサイトの場合は、ドメインを1つ管理するだけで、いくつでも複数サイトを作れます。
ドメイン費のコストダウンも図れます。
メリット3:SEOに強いサイト構築ができる
サブディレクトリ型は、1つのドメインに複数サイトを持つため、そのドメイン下の記事をどんどん増やすことが出来ます。
同じテーマ・ジャンルのWebサイトを複数運用する場合、マルチサイト化することでSEOに有利なサイト構築ができるということです。
WordPressをマルチサイトにするデメリット
ここまでメリットを解説してきましたが、当然デメリットもあります。
特に初心者の方やWordPressに慣れていない方は、以下のデメリットを十分に理解しておきましょう。
デメリット1:マルチサイトに対応していないプラグインがある
例えば「SiteGuard WP Plugin」など、マルチサイトに対応していないプラグインがあります。
それらのプラグインはインストールできないので、注意が必要です。
デメリット2:wp-config.php、 .htaccessなどのファイル改変が必要
WordPressをマルチサイト化する場合、wp-config.php、.htaccessの2つのファイルにソースを追記する必要があります。
知識のある人には難しくない作業ですが、初心者には敷居の高い作業になります。
スキルの高い人が社内にいれば問題ないのですが、その人が居なくなった時のリスクも考えておく必要があるでしょう。
デメリット3:WordPress管理画面が複雑になる
マルチサイト化したWordPress管理画面は、マルチサイト用の管理項目が増え、一般的なWordPress管理画面よりも複雑になります。
管理画面はネットワーク管理者が行うと思いますが、マルチサイトの構造と仕組みがわかっていない人には、複雑になった管理画面に難しさを感じることも。
マルチサイト化した場合は、管理画面の使い方を含め、マニュアルにしておくことをおすすめします。
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マルチサイトは、どんなサイトをいくつ作りたいのか、事前の設計がとても大切です。
複数サイトを運用することになるので、全体のネットワーク管理者を誰にするのか、各サイトの責任者をどうするのか、運用方法をどうするのか等々、しっかりした計画と設計のもとに作るようにしましょう。
また、wp-config.php、.htaccessの各ファイルにソースを追記したり、専門的な知識も必要になります。
マルチサイト化は以外と難しいものです。
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